酒と趣味と自堕落な日々

お酒と同人ライフと趣味の世界に浸って、自堕落に過ごす「いとうみき」の日々の日記

2007/12/21

こんぱす

そういう訳で、見に行ってきましたよ、我らが姫の舞台を。ちょっとネタバレになるかもしれませんが、感想などをちょいと。

まず、今回は坂本龍馬の死後、残された海援隊士たちのお話です。彼女の役は、男性に交じって活躍する白峰駿馬という隊士役でした。このキャラクターは坂本龍馬という人柄や思想、夢等に惚れ込んでしまい、憧憬の果てにそれに飲み込まれてしまったような人という感じがしました。悪く書くと、狂気一歩手前の人という感じです。例えば、男性陣は坂本龍馬の夢の他に、各人の具体的な夢のビジョンがありましたが、彼女にはそれがありませんでした。いえ、夢はあるんですが、それが具体的なビジョンとして現れてこなかったんです。男性だから、女性だからという訳でもないでしょうが、坂本龍馬に固執した末に、現実から浮き上がりかかってしまった人と言うイメージができてしまいました。それは、坂本龍馬の死がわかった後でも、ことあるごとに「坂本さんは帰ってくるよ」という当たりに垣間見えています。つまり、「坂本龍馬の死」という現実を認識できていない状態だった訳です。で、この取り扱いが非常に微妙なキャラクターを、「姫」は破綻なく演じきってしまったんですよ。今まで見てきた姫の舞台の中では、こういう何かに凶悪に固執するタイプの役柄はほとんどなかったはずです。そういう役柄を演じられる事に、姫の演技力の高さが伺い知れました。彼女の役に相対するのは、坂本龍馬に置いてきぼりを食った千葉佐那子さん。坂本龍馬の嫁という現実が、その死と共に消失してしまい、表面上はまだしも、感情的には不安定な状態。こちらも狂気一歩手前の演技が要求されていたと思います。ただ、表面上は強力な理性で抑え込んでいたため、狂気が支配する感情が表れる事はあまりありませんでしたが。何度かこれがでてくるシーンは、理性が吹っ飛んだときか、自分が誰とも特定されないと判断していたときだけでした。この辺りも、常に感情を表に出し続けている駿馬とは真逆。二人はコインの表と裏、あるいはどちらかがもう一方の影的な存在なのかも知れません。全体がコメディタッチである分だけ、この辺りが隠された印象がありましたけどもね。ところで、姫が舞台に立っているときには、目が本当にキラキラしているのが印象的です。大げさにいえば、アタックNo.1のこずえちゃんの目状態?!こういう目をしている人を見ると、「ああ、この人は芝居が好きなんだなぁ」と思ってしまいます。

いや、勝海舟役の飯山さんはさすがにベテランだけあって、殺陣も台詞もぴしっと決まるし、ものすっごくかっこいいです。実は、隠れファンだったりしますけども。佐那子さんは、最初の方で割りととちってました(苦笑)。舞台の感想ではありませんが、今回は全席指定席で、姫に席を頼んでおいたんです。そしたら、最前列の中央よりの席が確保されてまして、舞台までは残り1メートルほどという席でした。神席とでもいえばいいのかもしれませんが、迫力があってよかったですよ。

狂気なんて見方をするのは、最近、すべての登場人物が少しずつ狂っている「シグルイ」にはまっているせいでしょうかねぇ。

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