酒と趣味と自堕落な日々

お酒と同人ライフと趣味の世界に浸って、自堕落に過ごす「いとうみき」の日々の日記

2007/11/29

「おまえはひどいやつだ!」「そう言うな」

と言う訳で、この週末から「椿三十郎」の映画が始まる訳ですが、先日のTVCMをみて、さらに絶望してしまいましたよ。「椿三十郎」で最大の見せ場、ラストの織田裕二演ずる椿三十郎と、豊川悦司演じる室戸半兵衛の対決シーンがCMで流れていたんです。三船版「椿三十郎」をご存知の方は、あのシーンの恐ろしいまでに張りつめた空気が、無音で表現されていたのを覚えておいでだと思います。後ろにいる若侍達は一言も言葉を発する事ができず、三十郎と室戸のセリフでさえ無用と途中で切り捨てられてしまったロングカットのあのシーン。音がない事が静寂の中に異様な緊張感を現していた訳ですが、このTVCMをみたら全てが台無しでしたよ。CMのバックにとてつもなく大きな心臓の鼓動音が流れる訳です。二人の間にあるはずの緊張感も台無しなら、それまでの演技も全てご破算です。な・ん・で・す・か、こ・れ・は?それでなくても、現代の役者がやる事に違和感があるのに、妙に軽すぎる演技、浪人者にしては綺麗すぎる衣装の三十郎とか、内に秘めた野望を言葉の端っこにも感じさせないトヨエツとか、もう、酷いと思いますよ、これは。評価していいのは、若侍衆と中村玉緒さんだけでしょう。
と言う訳で、YouTubeで見つけた、この見せ場のシーンのキャプ画を下に貼っておきます。これだけのシーンですが、音響効果やBGMは必要ですか?

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2 Comments:

At 12:11 午前, Anonymous 匿名 said...

う〜ん 難しいところですね。

私らの世代だと、無音でその奥底に流れる・・・ってのがあるんでしょうけど、今の世代だと「無音が○○秒で、放送事故・・・」ってのもあるでしょうし。

>朝青龍の、なんてことない釈明会見を見ながら・・・

 
At 7:16 午前, Blogger いとうみき said...

a_suzuさん、どもです
「椿三十郎」って、私が黒沢映画にのめり込むきっかけになった作品なので、なおさら厳しくみてしまうのかもしれませんが。鼓動の音が大き過ぎて、逆に役者の声が小さく聞こえそうな気も(苦笑)。あの作品って、相反する二者の対比がすばらしいんですけれども、今度のはそれが感じられないんですよね。緊張感も感じられないし…。こうしてみると、黒沢監督が評価される事がよくわかります。次は「隠し砦の三悪人」だそうで、これまた絶望しそうですよ。トホホ…。

 

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