酒と趣味と自堕落な日々

お酒と同人ライフと趣味の世界に浸って、自堕落に過ごす「いとうみき」の日々の日記

2006/11/14

映画「椿三十郎」リメイクだぁ〜

映画「椿三十郎」
言わずと知れた、黒澤明監督の名作のリメイクを、織田裕二でやる事になった訳です。「椿三十郎」のファンとしては、やはり一言くらいは言いたくなる訳です。今回は役者の面から書いてみたいと思います。
かつて、黒澤監督だったかが時代劇を撮らなくなった理由の一つが、「三船のような侍の面構えを持った役者がいなくなったため」だと、どこかでみた記憶があります。なるほど、「そろそろ四十郎ですが」等と言える年代の役者を思い浮かべてみると、たしかにああいうギラギラとした、抜き身の大刀というイメージの侍を演じきれる役者はいません。なんというのか、椿三十郎役の織田裕二ではきれいすぎるんですね。敵役の室戸半兵衛にしても豊川悦司で、これまた腹に野望を抱え込んだ、悪徳目付の懐刀的な役というのには、ちょっと弱すぎるように思います。案外、あと10年くらいもしたら、中村獅童あたりが適任になるかもしれませんが(苦笑)。その他の役者さん達も、若侍役はまだしも、少しずつイメージが違っているような気がします。城代家老・睦田役の藤田まことは存在感があり過ぎ、その奥方役の中村玉緒は前に出過ぎの様な気がします。もっとも、これは何度も見直すくらいの大好きな作品だからこそ感じることなのかもしれませんし、実際には単なる危惧で終わってくれるかもしれません。もっとも、台本はそのまま使われるとのことですから、役者の力量の差が明確になってしまうのではないかと危惧しているんですが。特に、ラストの三十郎と半兵衛の対決シーンが、結構つらそうです。この辺りの厳しい演技は、織田裕二には辛いかも?!「聞いた風な口をぬかすんじゃねぇ!」最後の対決のあとに、若侍が「お見事」と声をかけます。その時に三十郎が叫ぶんですが、若侍を諭す様にも聞こえて、劇中でもっとも好きなシーンなんですよね。これ、織田裕二では無理でしょう。なんだか、若侍と一緒に悩んじゃう感じで(苦笑)。正直、期待も出来ません。
贅沢を言うのならば、本作品がモノクロで制作されて、椿の花の白と赤、対決の血飛沫の赤だけを色を付けてはどうかと思うのです。それと、音楽は新規に製作するのではなく、前のモノを使って欲しいと思いますがね。
敬称は省略させていただきました。