酒と趣味と自堕落な日々

お酒と同人ライフと趣味の世界に浸って、自堕落に過ごす「いとうみき」の日々の日記

2009/08/03

「カワリ大いに笑う!」

ちょっと前に書きましたが、昨年末に田舎に帰った時、私の蔵書がごっそりと捨てられていた事が発覚しまして、現在は復刻版で再収集の最中なのです。桑田次郎先生の作品は昔から割りと好きで、朝日ソノラマ版のサンコミックスシリーズを集めていたんですが、それがごっそりとなくなっていた訳ですよ、これが。いやいや、なくなってしまったのはしょうがないし、親を責める訳にも行きませんが、さすがに朝日ソノラマ版はもう買う事もできないでしょうから、せめて復刻版と言う訳です。その一つが、この「カワリ大いに笑う!」です。いわゆる一つのスパイアクションものなのですが、日本の秘密諜報機関ジャスパーの一員で変装の名人カワリが、米国CIAとソ連GPUと戦いながら地下核実験探知機であるニュー・ブラックボックスの謎に迫ると言うストーリーです。が、ストーリーが二転三転するのと、小気味良いテンポでストーリーが進んで行くので、読み進めて行くうちにすぐに時間が経ってしまう感じがします。こういうまとめて読むタイプのコミックスだと、作者の力量を伺い知る事ができますが、さすがに桑田次郎先生は尋常な力量じゃありません(原作の牛次郎先生も尋常じゃありませんが)。今読んでも、それほど古さを感じさせないところだけでもすごいです。
「過ぎた力は、自らを滅ぼしかねない」、SFやコミックスでは何度となく取り上げられたテーマであります。この作品もそのテーマに従った作品の一つと言えますが、「エリート」程のシニカルな面はなく、少年誌への連載と言う点を考慮すると、こちらの方が優れている面もあります。まぁ、ちょっと、ラストがあれですけれども。

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